前回の記事で、「ストレスとは何か?」「なぜストレスが精神疾患を引き起こすのか」を簡単に解説しました。(前回の記事)
もちろん、ストレスだけが精神疾患の原因になるわけではないですし、いろいろなことが複合的に起こって発症するわけで、すべての原因を解明して取り除いて・・・というのは難しいのです。(まだ解明されていないことも多いみたいだし)
そうは言っても、できることはしたい。
でも、ストレッサー自体を取り除くのも難しい。
そんな時、とにかく私がお勧めするのが「腸内細菌のケア!!!!」です。
■「腸内細菌」とは何者なのか、何をしているのか。
私たちの腸内には100兆個くらいのいろいろな細菌が住んでいるようです。よく言う善玉菌とか日和見菌とか悪玉菌とかいわれるやつですね。
「善玉」とか「悪玉」とかいわれますが、細菌本人たちは「悪さをしてやろう!」とか「人間にいいことをしてあげましょう」なんて思っているわけもなく、たくさんいる細菌たちを
人間にとって比較的有益に働いてくれるもの→善玉菌
人間にとって比較的よくない働きをするもの→悪玉菌
とくにどっちというわけでもないけど優勢な方の味方をするもの→日和見菌
と呼んでいるだけで、あくまで「人間から見てどうか」ということ。
この腸内細菌たちは細胞と核をもったれっきとした生き物なわけで、私たち動物と同じように生命活動(代謝、分解ともいう)をしています。
私たちはご飯を食べて、うんちを出したり、酸素を吸って二酸化炭素を出したりしているけど、細菌達も何かを栄養にして、何かをプッと出していて、この活動が私たちに有益だと善玉、有害だと悪玉といわれます。
この「プッと出している何か」がとても大切で、酵素だったり、ビタミンだったりして、実はこの活動が脳の健康にも関係しています。
■腸内細菌の働きと脳の健康の関係
前回の記事で、”鬱を防いだり気持ちを安定させるためには、神経伝達物質やホルモンの量を一定にコントロールしてあげる必要がある”と解説しました。
脳内で必要な神経伝達物質やホルモンそのものは脳内で作られていますが、その材料を作っているのが腸なのです。
車の本体を組み立てるための部品を下請け業者が作るように、脳内の神経伝達物質を作るための材料を腸が作っているのです。
つまり・・・。
腸内で材料がきちんと作られなければ、脳内で必要な神経伝達物質も作られないのです。(コマッタ)
▽もう少し詳しく
調整系神経伝達物質セロトニンの主な材料は、トリプトファン(必須アミノ酸の一つ)です。しかしセロトニンを作るためにはトリプトファンだけではなく、その合成を助けてくれるビタミンB6やナイアシンなども必要です。
このトリプトファンを作ってくれてるのも腸内細菌。さらに、ビタミンB群も腸内細菌たちの活動によって作られています。
もう大規模下請け工場状態です。必要な材料をせっせと作っては運び、いらないものは処分して排出する。ついでにものすごいセキュリティで有害なものの侵入まで防いでいる(免疫機能)。
もう頭があがりません。
だから、腸が元気じゃないとセロトニンをつくる材料自体が作られない→もちろん材料がないから伝達物質もつくれない。。。。
となるわけですね。
■まとめ
脳内のセロトニンが減ったら精神のコントロールができない!
→
セロトニンを作るためにはトリプトファンやビタミンが必要
→
それらを作っているのは腸内細菌達
→
細菌をケアしないと大変じゃん!!
(本当に簡単に色々割愛するとこんな感じ)
細かく書くと、指がつってしまいそうなので、本当に表面的な部分だけさらっと書きましたが、それでも腸と脳(うつ)の関係が少しご理解いただけたかと思います。
いやいや、脳と腸が繋がっているなんて絶対信じないぞ!!
という方は次回のコラムをお楽しみに。
次回予定▶︎・緊張するとお腹が痛くなるのは腸と脳が繋がっているから。
・鬱の前兆!?「お腹がゆるいor便秘気味」
このあたりを書きたいと思います!